もう》堪《たま》らず、震えながらにとうとう夜を明《あ》かしたとの事である。しかし今では奇妙なもので、「もうそれも平気になった」と彼は頗《すこ》ぶる平然として語ったが、この際弟は、思わずそこの玻璃《がらす》窓越しに見える死体室を見て、身震《みぶるい》をしたと、談《はな》したのであった。



底本:「文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会」ちくま文庫、筑摩書房
   2007(平成19)年7月10日第1刷発行
底本の親本:「怪談会」柏舎書楼
   1909(明治42)年発行
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2008年9月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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