夕立
永井荷風
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)白魚《しらうお》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)富士|筑波《つくば》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「くさかんむり/惠」、第3水準1−91−24]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)しん/\
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白魚《しらうお》、都鳥、火事、喧嘩、さては富士|筑波《つくば》の眺めとともに夕立もまた東都名物の一《ひと》つなり。
浮世絵に夕立を描けるもの甚《はなはだ》多し。いずれも市井《しせい》の特色を描出《えがきいだ》して興趣|津々《しん/\》たるが中に鍬形※[#「くさかんむり/惠」、第3水準1−91−24]斎《くわがたけいさい》が祭礼の図に、若衆《わかいしゅ》大勢《たいぜい》夕立にあいて花車《だし》を路頭に捨て見物の男女もろともに狼狽疾走するさまを描きたるもの、余の見し驟雨の図中その冠たるものなり。これに亜《つ》ぐものは国芳《くによし》が御
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