妾宅
永井荷風
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)伴《ともな》って
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一人|倦《う》み
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「木+靈」、第3水準1−86−29]
〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔Gou^t〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://www.aozora.gr.jp/accent_separation.html
−−
[#7字下げ]一[#「一」は中見出し]
どうしても心から満足して世間一般の趨勢に伴《ともな》って行くことが出来ないと知ったその日から、彼はとある堀割のほとりなる妾宅《しょうたく》にのみ、一人|倦《う》みがちなる空想の日を送る事が多くなった。今の世の中には面白い事がなくなったというばかりならまだしもの事、見たくでもない物の限りを見せつけられるのに堪《た》えられなくなったからである。進んでそれらのものを打壊そうとするよ
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