く砂利が敷込まれた。砂利を敷くための寄附金など、最早、彼等に取っては問題でなかったのだ。寄附ではなく、彼等に取っては、一種の投資であった。店を開くための、土地の所有価値を暴騰させるための投資であった。
 部落の形態はそこで完全な分散作用を開始した。誰も彼も半自給自足の素材生産から足を洗って、扮飾術師になり、消費者になろうとして。
 先ず、新道端に店が並び、畠の中に住宅が出来、工場が建って、耕地は急に市街地の形態を整えかけ、積極的な機構をもち出した。丁度これは、膨脹しつつある団雲に近付いて行く一片の雲に似ている。膨脹しつつある機構に合体するためには、矢張、膨脹しつつ近付いて行かねばならないのだ。
 耕地はそうして市街地に変って行った。其処から自分の生活資料を掘出していた百姓達は、当然のこと、他の職業に転ずるか、何処かの耕地へ移って行かなければならないことになって来た。
「いよいよ賑かになりましたな。斯うなると儂等《わしら》の家も、どうもあのままじゃ置けねえようですよ。目障りで……」
 河上は地主仲間に言っていた。
「一つ、お屋敷風に建てかえるとしますかな? この町中さ、茅葺は、どうもね。
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