を拒絶して、手扱《てこ》きを使い続ける気にもなれなかった。
「俺は、もう、これきりの人間だ。山茶花など! それより、汝等《にしら》せえ、幸福《しあわせ》で……」
平三爺は、もう一度こう言って、涙に濡れた顔を、とくと枕に押しあてた。
[#地から2字上げ]――昭和二年(一九二七年)『文章倶楽部』七月号――
底本:「佐左木俊郎選集」英宝社
1984(昭和59)年4月14日初版発行
初出:「文章倶楽部」
1927(昭和2)年7月号
入力:田中敬三
校正:小林繁雄
2007年7月23日作成
青空文庫作成ファイル:
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