るじゃないか? 自殺をしたんだな? 馬鹿なっ!」
 正勝はそう言いながら、ストーブのほうへ寄っていった。ストーブの傍の小卓の上には、何か手紙のようなものが書き残されてあった。紀久子も黙ってそこへ寄っていった。
「書置きだな?」
 紀久子は黙って、ただその胸を顫わせながら正勝と一緒にその手紙を覗き込んだ。

 最愛の紀久子さん!
 永劫《えいごう》の結合と深遠の愛を誓いながら、流星のように別れていかねばならないことを、わたしは深く深く悲しみます。あなたの愛だけに生きているわたしとしては、もはやこれも仕方のないことです。いまにして、わたしはわたしたちの愛が、開墾地の人たちの血と肉とのうえに建てられてあったことをはっきりと知りました。わたしたちはその血の池のなかに、その肉の山に、永劫の愛を求めようとしたのです。しかし、それは決してあなたの罪でもなく、わたしの責任でもありません。あなたの父上の負うべき一切のものを負わされて、わたしたちの果敢《はか》ない宿命の愛が誤れる第一歩を踏み出したのでした。わたしたちがもしも疾《と》くにこのことに気がついて、わたしたち自身の世界に永劫の結合と深遠の愛を誓っ
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