を含んで顔を赤らめながら、顔を伏せるようにして静かに正勝のほうへ寄っていった。開墾地の人々は驚きの目を瞠って、ただじっと紀久子の姿を見詰めた。
「金を持ってきてくれたかい?」
「持ってきたわ」
紀久子はそう言って、正勝に小さな包みを渡した。正勝はすると、煙草《たばこ》を横銜《よこぐわ》えに銜えながらその包みを解いた。十円紙幣ばかりだった。
「稲吉さん! それじゃ百五十円」
正勝はそう言って、無造作に百五十円を数えた。稲吉爺は幾度も幾度もお辞儀をして、地面を舐《な》めるほど腰を屈《かが》めながら正勝のほうへ寄っていった。初三郎爺や与三爺もお辞儀をしては腰を屈めながら、正勝のほうへ寄っていった。正勝は煙草でもくれるようにして、その金を渡した。
「初三郎爺さんと与三爺さんは、百円ずつだったね?」
「正勝さん! おれらは本当に、あなたさまを神さまのように思いますよ」
彼らはそう言って、紙幣を押しいただいた。
「正勝さん! おれらにも少し貸してくだせえましよ。おれらこれ、貧乏で貧乏で……」
喜代治らがそう言って、頭を下げながら正勝のほうへ寄っていった。正勝は黙って彼らを見た。それから、そ
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