てやってくれないか?」
正勝はそう言って、吾助爺のほうへ声をかけた。吾助爺はすると、盆に徳利を載せて炉端のテーブルへ寄ってきた。正勝は白樺の皮をくるくるとするめ[#「するめ」に傍点]のように巻いて爺に渡した。
「それじゃ、ひとつみんなで飲もうじゃねえか。紀久ちゃんが金を持ってくるかこねえか、酒でも飲みながら待ってみてくれよ」
正勝はそう言って、盃《さかずき》に酒を注《つ》いで回った。
「正勝さん! それじゃ遠慮なく頂きますが、この酒はまあ前祝いのようなもんでがすね」
喜代治爺は微笑を含みながら言って、盃を取った。
4
開墾地の人たちは茶呑茶碗《ちゃのみぢゃわん》で、酒をぐびりぐびりと呷《あお》った。彼らはそれですぐ酔っ払った。酷《ひど》く酔いが回ってくると、彼らは立ち上がって踊りだした。そして、徳利を叩《たた》き、卓を叩いて歌いだした。
突然その時、戸口が開いた。彼らは驚きをもって戸口のほうを振り向いた。戸口からは、紀久子が静かに入ってきた。
「紀久ちゃんか?」
正勝は微笑を含んで立ち上がった。開墾地の人たちは急に黙りだした。紀久子は羞恥《しゅうち》の表情
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