庸[#一]、如[#二]雲出[#一レ]岫。
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〔譯〕論語《ろんご》を講《かう》ず、是れ慈父《じふ》の子を教ふる意思《いし》。孟子《まうし》を講ず、是れ伯兄の季《き》を誨《をし》ふる意思《いし》。大學《だいがく》を講ず、網《あみ》の綱《かう》に在る如し。中庸《ちゆうよう》を講ず、雲《くも》の岫《しう》を出づる如し。
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六三 易是性字註脚。詩是情字註脚。書是心字註脚。
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〔譯〕易《えき》は是れ性《せい》の字の註脚《ちゆうきやく》なり。詩《し》は是れ情の字の註脚なり。書《しよ》は是れ心の字の註脚なり。
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六四 獨得之見似[#レ]私、人驚[#二]其驟至[#一]。平凡之議似[#レ]公、世安[#二]其狃聞[#一]。凡聽[#二]人言[#一]、宜[#二]虚懷而邀[#一レ]之。勿[#レ]苟[#二]安狃聞[#一]可也。
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〔譯〕獨得《どくとく》の見《けん》は私《わたくし》に似る、人其の驟至《しうし》に驚《おどろ》く。平凡《へいぼん》の議《ぎ》は公に似る、世其の狃聞《ぢうぶん》に安んず。凡そ人の言を聽《き》くは、宜しく虚懷《きよくわい》にして之を邀《むか》ふべし。狃聞《ぢうぶん》に苟安《こうあん》することなくんば可なり。
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六五 心理是豎工夫、愽覽是横工夫。豎工夫、則深入自得。横工夫、則淺易汎濫。
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〔譯〕心理《しんり》は是れ豎《たて》の工夫なり、愽覽《はくらん》は是れ横《よこ》の工夫なり。豎《たて》の工夫は、則ち深入《しんにふ》自得《じとく》せよ。横《よこ》の工夫は、則ち淺易《せんい》汎濫《はんらん》なれ。
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六六 讀[#レ]經、宜[#下]以[#二]我之心[#一]讀[#二]經之心[#一]、以[#二]經之心[#一]釋[#中]我之心[#上]。不[#レ]然徒爾講[#二]明訓詁[#一]而已、便是終身不[#二]曾讀[#一]。
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