海島冐險奇譚 海底軍艦
序
肝付兼行
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【テキスト中に現れる記号について】
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「過」の「咼」に代えて「咼の左右対称」、3−10]
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夫れ海は地表百分の七十三を占め、以て吾人の棲息する陸土を包圍す。故に人類とし又國民として世界に雄飛せんとする者は、必す先つ此包圍を破りて激浪怒濤の間に縱横奔馳するの元氣無かる可らす。英國何者そ、獨逸何者そ、佛國何者そ、露國米國何者そ、苟も雄を宇内に爭ふ者は、一として此元氣の勃興發動底止する所を知らさるに非すや。清國何者そ、韓國何者そ、土國何者そ、西國葡國何者そ、徒に廣大なる土地衆多なる人民を有するも、元氣銷沈して常に人後に瞠若たるに非すや。均く是一國なり、而して盛衰の顯著なる彼の如し。是豈故なしとせむや。語に曰ふ、天に順ふ者は盛り、天に逆ふ者は衰ふと。前者の以て盛なる所の者は、天に順へはなり。後者の以て衰ふる所の者は、天に逆へはなり。夫れ我か海國民たる者は、抑前者たらむことを欲する乎、將た後者乎、固より
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