推[#一]。
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〔譯〕唐虞《たうぐ》の治《ち》は只是れ情の一字なり。極めて之を言へば、萬物一體も情の推《すゐ》に外ならず。
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〔評〕南洲、官軍を帥ゐて京師を發す。婢《ひ》あり別れを惜みて伏水《ふしみ》に至る。兵士|環《めぐ》つて之を視《み》る。南洲輿中より之を招き、其背を拊《う》つて曰ふ、好在《たつしや》なれと、金を懷中《くわいちゆう》より出して之に與へ、旁《かたは》ら人なき若し。兵士|太《はなは》だ其の情を匿《かく》さざるに服す。幕府|砲臺《はうだい》を神奈川に築《きづ》き、外人の來り觀るを許さず、木戸公|役徒《えきと》に雜り、自ら畚《ふご》を荷《にな》うて之を觀る。茶店の老嫗《らうをう》あり、公の常人に非ざるを知り、善く之を遇す。公志を得るに及んで、厚く之に報ゆ。皆情の推《すゐ》なり。
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四 凡作[#レ]事、須[#レ]要[#レ]有[#二]事[#レ]天之心[#一]。不[#レ]要[#レ]有[#二]示[#レ]人之念[#一]。
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〔譯〕凡そ事を作《な》すには、須《すべか》らく天に事《つか》ふるの心あるを要《えう》すべし。人に示すの念《ねん》あるを要せず。
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五 憤一字、是進學機關。舜何人也、予何人也、方是憤。
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〔譯〕憤《ふん》の一字、是れ進學《しんがく》の機關《きくわん》なり。舜《しゆん》何人《なんぴと》ぞや、予《われ》何人ぞや、方《まさ》に是れ憤《ふん》。
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六 著[#レ]眼高、則見[#レ]理不[#レ]岐。
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〔譯〕眼《がん》を著《つ》くること高ければ、則ち理《り》を見ること岐《き》せず。
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〔評〕三條公は西三條、東久世諸公と長門に走る、之を七|卿《きやう》脱走《だつさう》と謂ふ。幕府之を宰府《ざいふ》に竄《ざん》す。既にして七卿が勤王の士を募《つの》り國家を亂さんと欲するを憂へ、浪華《なには》に幽《いう》
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