くごう》は「※[#「毋の真ん中の縦棒が下につきぬけたもの」、12−7][#(シ)][#レ]意※[#「毋の真ん中の縦棒が下につきぬけたもの」、12−7][#(シ)][#レ]必※[#「毋の真ん中の縦棒が下につきぬけたもの」、12−7][#(シ)][#レ]固※[#「毋の真ん中の縦棒が下につきぬけたもの」、12−7][#(シ)][#レ]我」[#ここから割り注]○論語[#ここで割り注終わり]と云へり。總じて人は己れに克つを以て成り、自ら愛するを以て敗るゝぞ。能く古今の人物を見よ。事業を創起する人其事大抵十に七八迄は能く成し得れ共、殘り二つを終る迄成し得る人の希れなるは、始は能く己れを愼み事をも敬する故、功も立ち名も顯るゝなり。功立ち名顯るゝに隨ひ、いつしか自ら愛する心起り、恐懼|戒愼《かいしん》の意弛み、驕矜《けうきよう》の氣漸く長じ、其成し得たる事業を負《たの》み、苟も我が事を仕遂んとてまづき仕事に陷いり、終に敗るゝものにて、皆な自ら招く也。故に己れに克ちて、睹ず聞かざる所に戒愼するもの也。
二二 己れに克つに、事々物々時に臨みて克つ樣にては克ち得られぬなり。兼て氣象を以て克ち居れよと也。

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