三 學に志す者、規模を宏大にせずば有る可からず。去りとて唯此こにのみ偏倚《へんい》すれば、或は身を修するに疎に成り行くゆゑ、終始己れに克ちて身を修する也。規模を宏大にして己れに克ち、男子は人を容れ、人に容れられては濟まぬものと思へよと、古語を書て授けらる。
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恢[#二]宏[#(スル)]其[#(ノ)]志氣[#(ヲ)][#一]者[#(ハ)]。人之患[#(ハ)]。莫[#(シ)][#レ]大[#(ナルハ)][#レ]乎[#下]自私自吝。安[#(ジテ)][#二]於卑俗[#(ニ)][#一]。而不[#(ル)][#中]以[#(テ)][#二]古人[#(ヲ)][#一]自[#(ラ)]期[#(セ)][#上]。
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古人を期するの意を請問せしに、堯舜を以て手本とし、孔夫子を教師とせよとぞ。
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二四 道は天地自然の物にして、人は之を行ふものなれば、天を敬するを目的とす。天は人も我も同一に愛し給ふゆゑ、我を愛する心を以て人を愛する也。
二五 人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己れを盡て人を咎めず
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