]、尤も此意思不自由論に就ては猶十分論じたいことがあるけれども先づ是れで差措くであらう、是れで大抵は解つたことと思ふ。
井上博士曰余は猶意思に就て言はねばならぬことがある、是れは心理學に關係したことであるから心理學の方面から疑のある諸君には意見を吐露して貰いたいと思ふのである、意思論に就て一つ解り難いことがある、吾等の生命は先づ生存するといふことを第一として居る、そこで生存して行かねばならぬ、けれども生存して居るから生存の欲望があるのであるが、ところが何故に生存せねばならぬ乎といふと不明になる、何故といふことに對しては必ず不明なものが出て來る、茲に生命の問題なるものが出て來る、青年抔になると煩悶するといふやうなことも隨分ある、又食ふことも同樣である、何故食はねばならぬ乎、旨《ウマ》いから食ふと云ふであらうけれども尚一つ先きにゆくと何故|旨《ウマ》いものを食はねばならぬ乎、箇樣に段段と押してゆくと仕舞に何等歟必ず殘る、左樣に先きに先きにと押詰めてゆくとしても決して其終點に達することは出來ぬ、ところで、それには必ず何か譯があると思ふ、尚今一つ、それに關聯して居ることがあるが意思に就ては自
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