もそのすっとぼけた調子にも、いよいよ父圓太郎をおもわせる何かがあった。
 いっそう圓朝は可愛くおもえた。
 萬朝という名を、その日、やった。

 初代のお引合わせだろうか、つづいてもう一人、弟子がきた。
 これは白魚河岸のほうの床屋の職人で、二十一になる銀吉という、目のキラリと光る侠気《いなせ》な若い仕《し》だった。
 小勇と名乗らせた。
 大工上がりの萬朝はおよそしまらない男で、朝は師匠の圓朝より遅く起きた。夜は圓朝が席からかえってくるともう枕を外してグーグー高いびきの白河夜船だった。
 見兼ねて圓朝が、
「ねえお前どうでもいいけれど、かりにお前昼寝をしてでも朝は私より早く夜は私より遅く寝るってわけにゆかないかねえ」
 こういったらキョトンとした顔をうなだれてしばらく考えていた萬朝、やがて面目ないようにチラと目だけ上げてくると、
「いえ、それがねえ師匠。私ァ昼寝もしてるんで」
 ……それじゃのべったら[#「のべったら」に傍点]に寝てるんだ。
 あまりの馬鹿々々しさに呆れ返って圓朝、それっきり何もいわなくなってしまった。
 銀吉の小勇のほうは俗にいうエヘンといえば灰吹き――目から鼻へ抜
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