さん、小勝さん、バタバタと死んでしまったせいもあるけれど、それぞれに属していた多くの弟子たちも一人減り二人減り、にわかに火の消えたようになってしまった。
もういまでは自分と旅へでたまま音信不通になっている親父の橘家圓太郎と、師匠のところの客分に当るもう老いぼれた圓蔵と、なんと三遊派はこれだけしかのこっていなかった。
……何とか――何とかしなけりゃ。
……何とかしないことには阿母を抱いて、私は心中してしまわなければならない。
圓朝はそう考えた。
……いや阿母ばかりじゃない、三遊派全体が地獄の底の底へと沈んでいってしまうことになる。そうもまた考えた。
……でもいくら何をどうしようとて、師匠がいくら骨を折ってくれても真打にしてくれ手もないこの私。三遊派という腐っても鯛の大きな大きな屋体骨を背負って立つには、あまりにも自分というものが非力過ぎた、貧弱過ぎた。これじゃ天下を覆《くつがえ》さないうちにこの私自身が覆ってしまうだろう。
どうしたら、ああどうしたらいいだろう――とつおいつ[#「とつおいつ」に傍点]悶ゆる目先に、いつか二つ目になったとき師匠に連れられてお詣りにいったことのあ
前へ
次へ
全268ページ中133ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
正岡 容 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング