れっぱく》の気合とともに、ピシーリ。圓生の手の白い碁石が小圓太のほうへ投げつけられていた。危うく碁石は耳許を掠《かす》って後へ落ちた。
「……その何でございます、とかくお噺というものは」
 少しまごまごしてこんな意味のないことを喋ってしまったのち、
「なるがだけ我々同様というエー」
 ピシーリ――ア、いけないまたいっちまった。
「いえその愚かしいエーエー」
 ピシリピシーリ。――いけない二つだ。
「エー者が」
 ピシーリ。――まただよ、どうも。
 あわてるとついかえっていってしまう「エー」なのだった。
「その、あらわれて参りませんとお噺になりませんようで、八さん熊さんというこれが我々のほうの大達者《おおだてもの》でございまして、いったいどこに住んでいる人たちですかかいくれ[#「かいくれ」に傍点]分らないのでございますが、よく現れて参ります」
 めずらしく今度は「エー」をいわなかった。――どうだイ、エヘどんなもんだい。
「エーその」
 ピシーリ――。ア、いけない、ちょいと安心したらまたすぐいっちまったい。
「これが横丁の凸ぼこ隠居のところへ参りますとエーお噺らしい」
 ピシーリ。
「こと
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