圓朝花火
正岡容
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)齣《こま》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)三|百《ぞく》五|百《そく》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#歌記号、1−3−28]
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こはこれ、我が五色七いろの未定稿なり、覚え書なり。
われ、三遊亭圓朝を愛慕すること年久しく、その一代を長編小説にまとめあげん日もまた近づきたり。
「圓朝花火」一篇は、実にそが長編の礎稿をなすものなり。青春の、中年のはたまた晩年の、彩り多く夢深かりし彼がひと日ひと日の姿絵をばここにかかげ、大方の笑覧を乞わんのみ。再び言う、こはこれ、まったくの未定稿也。あわれ幻燈の絵のひと齣《こま》とも思し眺め給えや。
断章の一
――スルスルスルと蛇のようにあがっていった朱い尾が、かっと光を強めたかと思うとドーン。
たちまち、大空いっぱいに、しだれ柳のごとく花開いた。
続いて反対の方角から打ち上げられたは、真赤な真赤な硝子玉《びいどろだま
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