といろではあつたが、紅白二たいろの※[#「米+參」、第3水準1−89−88]粉細工屋を見た。玻璃窓には紅い首輪の猫などしつらへてゐた。心和むおもひであつた。高の葉書は左の如くである。
「ただ※[#「米+參」、第3水準1−89−88]粉」はうれしいな、こんな文章をよまされると泣きたくなるよ。
徳兵衛の※[#「米+參」、第3水準1−89−88]粉細工も春のいろ
こんな出来そくないの句があるよ。観音さまのまへの大銀杏の下に出てゐた※[#「米+參」、第3水準1−89−88]粉屋、上手できれいな、知つてるね。あの爺さんの指の動きに出来る鳩やうさぎにも四季それぞれの景色が空の色がおのずと僕たちにはわかるんだよ。「ただ※[#「米+參」、第3水準1−89−88]粉」のほかはやかましくつて買へなかつた僕、女中がうしろにゐてね、かなしかつたものですよ。先日美和子がお母ちやんにめづらしくキレイな※[#「米+參」、第3水準1−89−88]粉ざいくの鳩、お砂糖の入つたのを買つてもらつて大よろこび、たべるのを大切に、いたはつて尾の方からたべたつけ……。
[#ここで字下げ終わり]
この文中の花園春美がは
前へ
次へ
全23ページ中21ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
正岡 容 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング