、病気だつて言ふぢや無いの。そんな、起きてもかまはないの?
沢子 なあに、いゝのよ。――私、先刻から、あんたが来てゐることは知つてゐたんだけど。――何でも聞いて知つてゐるわ。――あんたもいろ/\苦しいわねえ。
初子 生れついてゐるんだわねえ。どうせ、どうなつてもみじめな人間だわ。(間)秦さんまだ通つて来るの?
沢子 えゝ。――。
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間。足音――お秋と杉山が上つて来る。
[#ここで字下げ終わり]
杉山 (言ひながら入つて来る)嘘をつきねえ。嘘だ。そんな馬鹿なことがあつてたまるか。そんな馬鹿な――(坐つてゐる初子をヂツと見る)
お秋 嘘だか本当だか、初ちやんに聞いて見ればいゝわ。
杉山 本当かい、おい?
初子 本当よ。
お秋 ね、見るがいゝ。そして、それはお前さんの子だわよ。
杉山 なにい?
お秋 それに違ひ無いのよ。それに違ひ無いと初ちやんが言つてゐるのよ。
杉山 何を言つてやがるんだ。町田がゐるぢや無いか。――そんな、おい、俺を甘く見て貰ふまいぜ。
お秋 お前さんは、そんなやくざ[#「やくざ」に傍点]だよ。自分のことを悪徒だと思つて、悪徒づらしたつて、私にやわかつ
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