、真正面から切つてやるのよ。
町田 あゝ、大丈夫だ。――だけど、それよりも、僕は初子の事が心配なんだ。あれは、もしかすると、――。
お秋 大丈夫。私が受合ふわ。人間は、そんなに簡単に死んだり出来るもんぢや無いわ。大丈夫だわよ。
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二階へ去る。町田、神経的にその辺を歩き廻る。
間。
足音がして杉山とお秋が降りて来る。杉山と町田は顔を合せるが、無言。――杉山は落着いて煙草をふかしてゐる。――町田は立つたまゝ、手をブルブル顫はしてゐる。
間。
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町田 ――杉山さん。
杉山 ――。
町田 ――僕は今更――。
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間。
[#ここで字下げ終わり]
僕は今更、あなたに――。
杉山 なんだね?
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間。
[#ここで字下げ終わり]
町田 ――初子がゐなくなつたんだ。
杉山 知つてるよ。
町田 それで、お願ひがあるんだ。
杉山 ――?
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間。お秋は立つて二人を見ている。
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町田 ――僕は初子に、惚れている。
杉山 (黙つてニヤリとする)
町田 だから、――お願ひがあるんだ。

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