あんな事を言つて。――ぢや、おかみさん、奥へ行つたらいゝわ。後じまひは私がしますから。
女将 さうかい、ぢや頼むわ。お前が本当にシヤンとしてゐてくれるから、どれだけ助かるか知れないよ。初子はあんなことになるし、沢子は臥つてゐるし、私やもうね――。お前の年《ねん》が明ける時にや、相当のことはするからね、私だつていつもイライラしてゐるから、恵ちやんにだつて、つい口ぎたない事を言つたりするけど、そりや――。
お秋 えゝ、えゝ。――私は、つとめる分をつとめるだけですわ。
女将 恵ちやんはまだ帰らないのかい?
お秋 えゝ。
女将 丁度いゝわね、では。お前に後じまひをして貰へば。――杉山さん、もう帰つたの?
お秋 まだ沢ちやんの部屋にゐます。
女将 どうしたんだね?
お秋 又、金でも貰ひに来たんでしよ。放つときやいゝわ。どうでも帰らないと言つたら、私が何とかしますから。
女将 ぢや頼むよ。あんないけない奴だし、――それに始終|匕首《あひくち》を持つてゐると言ふんぢや無いの。なんしろ昨日の今日だからね。又、しよびか[#「しよびか」に傍点]れたりしたんぢや始まらないからね。いゝね?
お秋 えゝ。
女
前へ
次へ
全81ページ中42ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング