鈴が通る
三好十郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)情《じょう》無し

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから3字下げ]
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[#ここから2段組み]
 人間

そめ
かつ
かじや
さぶ 
農夫
しげ
馬方
仲買
おかみ
娘一
男の子
吏員一
助役
吏員二
農夫
吏員三
吏員四
娘二
青年
女教師
旅の女
[#ここで2段組み終わり]

[#ここから4字下げ]
どこかで鶏がトキを作っている。
[#ここで字下げ終わり]
かつ (なにかしながら)まったく、因果な事だよう。毎月毎月、二十六日になりさえすりゃ、夜の明けるのも待ちきれないように起き出してよ、こうして、よそ行きの着物着て、――ちょっくら[#「ちょっくら」は底本では「ちよっくら」]、そっち向きな、――まるで、へえ、娘っこが物見に行くみてえによ。よいしょと。さあ帯しめたぞ。(しめた帯のうしろをトンと叩く)はいキンチャク。六十円入れてあっからな、くたびれたらバス乗ってな、甘い物ほしくなったら、アメ玉でも買って食わっせえ。パアパアと人に呉れてやったり
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