だ、もうよしました。
私 そう? しかし、たしか君などが中心になってやってたんじゃない、その君がよしたとなると――?
須永 ですから解散と言う事になりました。
私 でも、あれだけ熱心にやっていたものを、どう言う――?
須永 ええ。……
若宮 さあてと、ごっつおさん。(ガタガタと立つ。ウィスキイのびんだけは離さぬ)柳子さん、あたしんとこに来て、ちっと飲みませんかね?
柳子 ありがとう。でもそれよりも、私の部屋で久しぶりに二、三年いかが?
若宮 いやあ、差しではあなたにむかれるに決っとるんだから。勝目の無い勝負は勝負とは言えん。
柳子 御冗談。先生や浮山さんも、いかが?
私 あとで伺いますかな。(立ってユックリと歩いてドアの方へ。須永も自然にそれに従うような形で歩き出している)
浮山 御馳走さん。(と箸を置いて)あたしは手入れが残っていて、地下室にもぐりです。(立つ)
房代 私も入れて。
若宮 (室を出て行きかけドアの所で聞きとがめて)へえ、お前も引けるのか?
柳子 どうしてあなた、今どきのお嬢さん、早いのなんのって。
若宮 そうですかねえ。(房代に)お前はトランプやサイコロ――何とか言っ
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