い、恐ろしい事が起きるのじゃないかしら? 怖いわ私! (織子に抱きつく)モモちゃん、どこかしら? あの子だけだわ、いつもと変らないのは。
織子 (私に)どうすればいいんですの、私たち? 言って下さい。どうすれば――
[#ここから3字下げ]
(そこへ舟木がノッソリ入って来る。手に注射器の入ったケースと幾種類もの注射薬の入った小箱をわしづかみにして持っている。態度は落着いているが眼だけは異様に光っている)
[#ここで字下げ終わり]
私 ああ、舟木さん。
舟木 ……(ジロリと三人を見まわして)須永をどうします?
私 ……しかたがない、警察にそう言ってやらなくちゃなるまいと――
舟木 そう。今頃はもうあんたの事がわかって、この家に対して手配が附いているかも知れない。とにかく、早くなんとか処置しなければ、この家の中でロクな事は起きない。柳子さんの様子など、少しおかしい。
私 おかしいと言うと?
舟木 あんたも気が附いているだろう、かねてあの人にはプシコパチヤ・セクシュリアスが有る。大きなショックがあると、変な分裂が起きて、それが元へ戻らなくなる事があり得る。少し鎮静させてやろうと思って、これを―
前へ
次へ
全164ページ中128ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング