それに舟木には舟木としての信念、と言いますか、医者としての、舟木の側から言わせると正しい考えから出発している事らしいのです。この家屋敷が自分の自由になったら、此処に大きな新式のサナトリアムを建てると言うのです。そして貧乏な人達を相手に実費診療の事業を始めると言うのです。大学の助教授をよした時から舟木の持っている理想なのです。つまりあの人の夢です。実は、その舟木の夢の美しさに引かれて、私は、あの人と結婚したようなものです。……そいで、舟木は、その話を此処の伯父さん――つまり、亡くなった此の家の御主人――その人の、またいとこだかの子供が舟木ですから、ホントの続きがらは、どう言えばいいんでしょうか、とにかくほんの少しばかり血のつながりがあります――伯父さんに話したらしいのです。その伯父さん言うのが又、えらい役人でいながら、どこか神がかりみたいな、理想肌の方だったそうで、舟木のそう言う話にひどく共鳴して、むしろ焚きつけたらしいのです。いよいよサナトリアムを始める時には、此の邸宅全部を提供すると言ったらしいのです。その事を書いた伯父さんからの手紙も舟木持っています。舟木には、それだけの理由がある
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