五郎 美緒の枕元で、俺あ乾杯したいんだよ。なあ美緒。
赤井 ありがたう。(コツプを握る)美緒さんも、早くよくなつて下さい。石にかじり付いても!
五郎 俺達の前には、ノツピキのならないギリギリ決着の絶壁が有るだけだ。もう、それに死にもの狂ひで乗りかけて行くきりだ……。赤井、戦つて来てくれ。
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 三人ビールを乾す。
 美緒が涙ぐんで見てゐる。小母さんは涙を流してゐる。しかしそれをビールにむせたやうにごまかしながら指先で拭くが、中々とまらないので、コソコソと立つて居間の方へ去つてしまふ。
 あとに、三人がしばらく沈黙に落ちてゐる。
間。
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赤井 ……(シンミリした空気を破らうとしてニコニコして)たちまち少し廻つて来たらしいや。
五郎 いゝよ酔つたつて。六時迄に戻りやいゝんだらう?
赤井 ……でも電車の時間を二時間見とかなきやならんからな。
五郎 すると此処を四時に出りやいゝから、まだタツプリ二時間は有らあ。それまでにや醒めるよ。もつと飲め。(赤井のコツプに注ぎ、自分も飲む)
赤井 ……近頃、どうだい、仕事の方は?
五郎 ……あんまり描かん。そん
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