来る予定でゐたが、今朝になつて不意に非常呼集がありやがつてね。
美緒 とにかく、お脱ぎになつたら――?
五郎 さうだ、脱げよ。……(赤井が帯剣をはづしにかゝる。その赤井の服装にフイと注意して)今日は馬鹿に立派な服だね、真新しいぢやないか?
赤井 立派だらう? 第一装用さ。これで持つ物を持ちや、いつでも出発出来るさ。
五郎 え? ……そいぢや、いよいよ、近い内に――?
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 男二人がいろいろな意味を込めて眼を見合はせてゐる短い間。
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赤井 ……(微笑して見せ、剣をスラツと抜いて)もうチヤンと刃が附いてゐる。
五郎 (その刃に指先で触つて見ながら、眼は赤井を見てゐる)……さうか……で、何日頃になりさうだい?
赤井 わからんよ俺達にや。わかつても言つちやいかん事になつてゐる。
五郎 すると、なにかね、明日にでも出発と言ふ事だつて有り得るわけか?
赤井 (服を脱ぎながら)うん、まあ、さうだな。よくわからん。たゞ準備はいつでも出来てゐるんだ。ハツハハ、此処にかうしてやつて来るのも今日でおしまひになるらしいよ。君はどうせ、佐倉の方へ来て呉れる暇は無いだら
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