の基礎が全然違ふんだな。言はゞ一種の全体主義的とでも言へる協同主義みたいなものを目ざしてゐる。まだハツキリしたもんぢや無いが、当人は大真面目なんだ。とにかくそんな小さな子が自分の頭だけで考へた事なんだよ。生活といふか、時代といふか、そんなものが教へてくれたんだな。面白いぢやないか、え? いろんな奴が居るねえ美緒!
美緒 ……(非常に幸福さうにニツコリして見せる)
赤井 さうか、そいつはすばらしいね。良い仕事といふもんは、いつの時代になつたつて、なんか後を残すもんだな。消えてなくなりやしない。美緒さんもうれしいでせうね。
美緒 えゝ。でも、私、かうして寝てゐても、あの子達のことを思ひ出すたんびに、心配になつてしやうが無いんですの。いつまでも小さい子供のやうな気がしてゐるんですのね。
赤井 それでいゝんですよ。それでいゝんですよ。次から次と、頼もしい奴等は生きて行つてくれる。僕あね、久我、近頃急にそんな気がする事があるんだよ。僕が死ぬ。その死んだ後で、この自然やそれから大勢の人々が僕の居なくなつた事なんか知らずに以前通りにヘイチヤラな顔をしてズーツと続いて行くといふ事を考へると、以前はイラ
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