てくれんかな。
せい はあ、でも、この人が、みんな、なにしちゃって――
双葉 お汁が有るから――
せい いいわフーちゃん、私がやるから――(鍋から椀に汁をよそいはじめる)
欣二 出て行けよ。おい――(男、頭をさげる)
柴田 (欣二が男に対して出しかけた手をとめて)だが、今ごろ、出て行っても、この人だって困るだろう。まあま――
欣二 いいんですよ、こんな奴あ、犬小屋かガード下で寝りゃ、たくさんだ。(相手を睨んでいたが、やがてスタスタ奥へ歩いて行き、壁に立てかけてある梯子に登る)
三平 どうするんだ? ……まあまあ捨てとけば、よい。なにはともあれ、少しこの腹を拵えんことにはねえ。ハハ(圭子に)さあさ、どうぞあなた、おかけになって、さあさ、(馴れ馴れしいインギンさで圭子を自分の傍の椅子に招じて、丁度その時、せい子がよそって双葉が取次いで渡してやった汁の椀を、圭子に当てごう)さあ、どうぞ。
圭子 いえ私は、たくさんですの。(その間に欣二は梯子の上で、こわれて大きな口を開いた天井の穴に右手を突込んで、そこから酒の瓶を取り出す。その間に、せい子は一同の椀に汁をつぎ、双葉がそれを一つ一つ食卓の上に並
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