瀬は明日の――なんになるんだい?
誠 (それをたち切って)黙れ欣二! そんな事よりも、そう言うお前自身が、なんだと言う事だ、問題は。お前こそ――
欣二 (それをたち切って)おっと、わかったわかった、反動だろう? よかろう。戦争中は、軍閥が何かと言や俺達の事を非国民の国賊だと言って、きめつけた。あれと同じ筆法だ。右翼が国賊だと言ったものを、今度は左翼が反動か。だけど、僕ぁ自分では、唯の人間だと思っている。もっとも、少しボロかな。ルンペン臭い。ただ、そら、これも後の祭でね、今頃なんと言われたって、どうにもならねえんだな。同じ事なら、去年の七月時分に、そう言ってくれりぁよかった、残念だね。
誠 欣二! お前、今度の戦争で犠牲になって、メチャメチャになったのは――つまり戦争から痛めつけられたのは、特攻隊やなんか、つまり自分達だけだと思っているようだな? 思いあがりだぞ、そいつは。一番下等なエゴイズムだ! そうじゃないか? 内地に残っているすべての人だって同じだ。又、そいつは、負けた国の人間だけに限らん。勝った方の人間だって、それぞれの形で犠牲を払っている。苦しみや痛手は、お前達だけの専売じゃな
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