手をあげて欣二をさえぎりながら)黙って居れ欣二! その、それでは誠、だから、つまり、お前も認めているのだ、左翼も右翼もひっくるめた国民全部に、広い意味での戦争責任の自覚――そこから来る反省――つまり、何もかも御破算にした上でわし等は出発し直さなくては、日本の再建は出来ないと私は――
誠 違います! (既に眼は血走り、声は甲走っている)そんなミソもクソも一緒にした日本再建なぞ在り得ない! お父さんの言うような意味の日本なんぞ、もう既に無い。在る必要がない。再建しなくてはならぬ部分と、根こそぎ叩きこわさなきゃならん部分があるきりだ。大事なことは、あなたの考えが、そのどの部分に奉仕しているかと言う――
欣二 (梯子の所を離れてフラリと近寄って来ながら、誠の言葉をたち切って)わかった、わかった、勤労階級だけが進歩的さ。
誠 そうだよ!
柴田 (喘ぎながら)なぜ、そうだ?
誠 (噛みつくように)人間の生活に必要な物を作り出しているのは勤労者だからです!
柴田 しかし、これだけたくさんの勤労者に仕事を与えるだけの施設や力が日本に無ければどうする? 現に無くなっている。失業者の数をお前だって知らぬ筈
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