の心理の細かいヒダなど、まるで無用なもののように叩きつぶされてしまう。……最初は息がつまりそうになりました。逃げ出しようが無いのです。しかし、いつたん逃げられないと思つてしまうと、これでいいんだと言う氣になつて、妙に落ち着けるのです。細々したことを考えたり、感じたり、言つたりする必要が無くなり、どうでもいいやと言う氣になるのです。
 おもしろい事に、此處に來たらタミ子が、上野にいる頃よりも非常に落ち着き、頭も良くなつたようで、夜もよく眠るし、ほとんど普通の人と變らなくなつた事です。タミ子とルリは、たいへん氣が合うようで、まるで姉妹のようにむつみ合つています。年はタミ子の方がズット上なのですが、姉さんらしいのはルリの方で、すべてタミ子のめんどうを見るし、又、タミ子の方ではルリの言う事だと何でも機嫌よく聞きます。見ていると、それは、ほとんどイジらしい位です。

 今後どうするか、まだ僕の氣持はハッキリきまつていません。しかし、東京へ戻つたら、一度ルリと二人で山梨の久子さんの所へ行き、それから高圓寺のルリの家へ行つて親や兄弟たちに話した上で、ルリと僕は結婚して家を持とうと思つています。タミ子
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