まつたような感じ。……時間と言うものが無くなつてしまつた。一種の絶滅感。……どう言えばいいか、そうです、映つていたトーキーの映畫が、何かの故障のためにピタッと停つてしまつて、その畫面だけを殘して動かなくなり、音も停止してしまつた――ちようど、そう言つた感じでした。どれ位の時間が經つたのか、おぼえがありません。僕は、なんにも考えないでボンヤリと女二人を見ていただけです。もしかすると、時間なんか一分間も經たなかつたのかも知れません。
そのうちに、ルリが二歩ばかり此方へおりて來ました。タミ子の方へ輕蔑をこめた流し目をくれながら、僕へ近づいて來るのです。その眼つきと、身のこなしが、ギリリと音を立てるように、僕に迫つて來て、何かもう、絶對絶命の所に追いつめられた氣が僕はしたのです。叫び出しそうになりました。トコトンまで、いじめ拔かれて、いじめ殺されかけているような感じ。カエルが蛇にねらわれて、呑みこまれる瞬間に、あんなふうになるのではあるまいか?……とにかく、あの時、一時僕は氣が變になつていたと思います。ワッと叫び出しそうになり――いや、その聲が事實すこしは外に出たかも知れません――同時に、實
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