今まで私一人で、出來なかつた。あんた、やる氣があつたら、やつて見ない? もうけは半分あんたにあげるわ」
「やつてもいいけど、下手をすると、つかまるんだろう?」
「そりや、そうさ。それは仕方が無い。法律をくぐつてやるんだから。そんな時はスナオに、取り上げてもらうなり、罰は受けるさ。それが法律だもの。しかし、別に人の物をぬすむと言うんじやなし、大金もうけをしようと言うんじや無しさ、ただそうしないじや、わしら、生きて行けないんだから、まあ、大目に見てもらうんですよ。引つかかつたから、惡いなあ此方だから、スナオに罰してもらうさ、しかたが無いもの」
 いかにも久子さんらしい考え方で、聞いていて僕は笑い出しましたが、笑いながら、急に目が開いたような氣がしたのです。
 それで僕は今、農事の手傳いの暇々にカツギ屋を始めました。品物は久子さんの内で出來たものです。三日に一囘位の割で東京まで通います。あまり大してもうかりはしません。たまには、つかまります。つかまれば久子の言う通り、スナオに取りあげられます。そして又、かついで來るんです。
 知らない間に、半年前のゴロツキが、カツギ屋になつているんです。コッ
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