。すこしも暗い所は無い。サバサバとして、健康だ。立川景子との違い。……どちらが良いとも自分には言えない。ただ、この方が、見ていて氣樂である。それにガラガラと吐き捨てるように語りながら、春子がその病弱の夫と子供を心から愛していることが、こちらにわかる。それが單純で力強い感じだ。こんな女も居る。立川景子みたいな女も居る。徳富稻子みたいな女も居る。志村小夜子みたいなのも居る。山内久子も居る。……人間も實にいろいろだと思つた。このリストの中だけでも、一人として他と同じような人は居ないのだ。――
 そのうちに、客が立てこんで來て、春子もチョイチョイ席を立つて忙しそうだし、自分の方からは別に話は無いので、いいのよ、いいのよとシキリと春子が言うのを押して、飮んだビールの金を拂い又來ますからと言つて、店を出る。

        39[#「39」は縦中横]

 探索は、ついに望みは無い。
 リストにのつている女たちの大部分は既に訪ね歩いてしまつた。殘つているのは、居所も、いや、生死の程も知れない三四人の名前にすぎない。その三四人を無理に搜して會つて見ても、その中にも、あの女は居ないような氣がする。いや
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