體が半年前ごろから非常に變りつつあるようです。それが良い事か惡い事か僕にはわからない。しかし實に變テコな妙な氣がします。しかし、それでいて、これまでよりも――すくなくとも黒田組に居た頃までよりも、世の中や人間のホントの姿が深くわかつて來たような氣もします。わかつたと言つても、前にも言いましたように、認識そのものがグラグラしていて疑わしいのですから、「理解した」のではありません。理解なんか出來はしません。「味わつた」と言うのがホントかも知れません。理解は出來ないけれど味は少しわかるんです、この人生の。いくらかホントの味がわかつて來たような氣がするんです。うまく言えませんけれど、あなたには、わかつていただけるでしようか? とにかく、僕と言う男の根本の所が、何か變りかけている事は事實のようです。ひどく不安です。それでいて、惡い氣持ではありません。それは、ちようど、醉つぱらつたような氣持です。「人生」に醉うなんていう事があるのだろうか?
 ――そんなわけですから、今の僕には、ツジツマの合つた手紙は書けません。僕の認識そのものが飛行機に乘つているようにグラグラしているのですから、その後僕が出會つ
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