Mさんの知り合いだつた女の人たちのリストなど、なんの手がりになるだろうか? ことに、このリストは三好さんに作つてもらつたものだ。だから、ここに書いてある人たちの大部分は、Mさんと三好さんの共通の知り合いの人たちだろう。いかにMさんという人が普通人とはちがつていたとしても、そのような、言わば公式な知人の中から、僕の相手を選み出す道理は無い。案の條、リストを追つて一人二人三人と搜し出し訪ねて行つて見ているうちに、その事が鼻の先に突きつけられるようにハッキリして來た。この事は、すこし考えれば、はじめからわかつていた事なのだ。だのに、ツイもしやと言う希望を持つた。もつとも、僕には、あの女を搜して行く手がかりや據りどころは、これ以外に全く無かつた。今でも無い。すると、探索を打ち切つてしまうか? いや、そんな氣は起きない。現在の僕には、これ以外に、したいと思う事は無い。それに、こうして歩くことが、あの女を搜し出すという目的のためには遂には無駄であつても、何かしら自分のためになるのではないかという氣がして來ている。現に、まだ僅か二三人會つたばかりでも、僕の目は多少今までとはちがつた方向へ開いて來たよ
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