全體どんことなのか知りたい――つまり性慾みたいなものも有ります。ウソは言いません。しかし同時に、あんな、出征前夜のドサクサの中に、あんな事をした相手に對して、とるべき責任があれば、なんとかして責任をとりたい。――そう言う氣持も少しばかりですが無い事は無いのです。
 いえ、初めの間は、主として前の氣持の方で搜しはじめました。しかし實際に一人二人三人と次ぎ次ぎにいろんな女たちに會つているうちに、人間というもの、女というもの、人間の生活と言うようなものが、僕に今までよりも少しわかつて來ました。そして、いつの間にか、後の氣持――責任がとれれば取りたいという氣持が生れて來たのです。いや、もしかすると、こんな當てのない搜しものをしている自分の行爲そのものが、既に何かのツグナイになるかも知れないと言う氣もします。
 お父さん! どうか僕を守つて下さい。
 …………

        33[#「33」は縦中横]

 それにしても、なんと言うオカシナ事を僕は始めたものであろう。
 あの時の女を搜し出せる可能性はほとんど無いという事は、最初から僕自身が覺悟しながら始めたのだから、それはそれでよい。しかし、
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