としてハッキリ認むべきである。……その事が、今ごろになつて、わかるなんて!
お父さん。どうか僕をゆるしてください。お父さんは、責任をとつて自決されました。もしかすると、僕のぶんの責任まで背負つてくださつたのではないのかと思います。それが今僕にわかりました。そうです、お父さんを殺したのは、半分は、この僕です。僕がお父さんを殺したのです。實に僕は今まで人間として出來そこないの、恥知らずの大馬鹿でした。
その事がヤットわかりました。遲過ぎたとも思いますが、でもやつと、わかつたのです。お父さんのおかげです。これから、少しは眞人間の方へ近づく事が出來るかも知れません。お父さん! 僕はこれから、ホンの少しでも、お父さんの子として恥かしくないような人間になつて行くように一所懸命にやつて見ようと思います。
僕がこうしてあの女を搜し出そうと、あちらこちらをウロウロしているのは、實はただ、なんとなく、あの女にもう一度逢つて見たい、逢つて見れば、なにか、今迄のいろんな自分の問題や氣分が、腑に落ちて來て、おさまりが附くような氣がする。それに、正直言つて、もう一度ハッキリと意識してあの女と寢て見て、それが
前へ
次へ
全388ページ中266ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング