僕の身體の下に死んだようにジッとしていました。その顏が僕の鼻の先きに、ホンノリと浮んでいました。線の細い、やせがたの面長の、美しい顏を見たような氣が僕はしたのです。間も無く默つて起きて、どこかへ行きました。考えてみると最初から、女はズッと默つたきりで、一言も口をきいていません。どこの何と言う、そしてどんな女だろう?……僕は、なにか虚脱したような無感覺な氣持であおむけに寢ながら、無意識のうちに女が戻つて來るのを待つていたようで、そうなれば女の正體もひとりでにわかるだろう事を豫期したやうです。しかし女は、いつまで經つても戻つて來ませんでした。そのうちに、とつぜん僕は耻かしくてたまらなくなりました。こんな所で見も知らない女とこんな事になつたことも、その相手を又待つているという事もです。カーッと全身がほてつて、とてもガマンが出來なくなつて來たのです。このまま歸つてしまつては、いけないような氣もしたのですが、とても一刻もジッとしてはおれなくなつた。
 それで逃げ出したのです。枕もとを手さぐりすると僕の洋服がそろつていたので、それを順序もなにもメチャメチャに着けてから、暗い中を四五歩行くと壁に突き
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