ような氣がするのです。
 もちろん小説などは、十七八の頃から相當讀んでいましたので、女についても、戀愛や性慾のことも知つてはいました。友だちの中にオナニズムを盛んにやつている者もいて、その事も僕は知つていました。ですから頭だけでは、時によるといろんな妄想を描いて見たりすることもありましたが、それをどんな形でも實行して見る氣にはならなかつたのです。決してそれは倫理や道徳などから來る考えによつて、自分をしばつていたのではありません。父の教育のせいでもありません。父は、それこそ、どんな事でも僕を強制したり、「これこれをしては、いけない」などと言つたりした事は一度も無かつたのです。まるで自然にそうなつていたのです。劍道や柔道やその他の運動に熱心だつたせいで、そんな事の方へ頭が行くことがすくなくなかつたためもあります。(僕は劍道は三段で柔道は二段です)。それから世間で言う「オクテ」のひどいのらしいのです。頭の進みかたよりも、身體の進みかたが、ひどくおくれています。いや、僕の頭の進みかたなどと言うとコッケイですが、僕の言つているのは、身體の進みかたに較べての話です。もしかすると僕の生理には、どこか
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