な、そして、生え拔きの博徒などの中に間々ある子供らしい眞正直さの調子があつた。
 四人の氣分が、だんだんほぐれ、三十分後には、なごやかな夜食の光景になつていた。
 杉田は、親分の黒田の命令で貴島の護衞に當りながら――貴島の身のまわり一切を世話することになつているらしい。相當の金を託されているのであろう。タバコやコーヒーやウィスキイなどの上等なやつがそろつている。そのウィスキイの口を開け、
「まあまあ、先生、一杯!」と言つて、杉田がキチンとかしこまつて坐つて、私に第一番目にコップを握らせた。先程久保が「貴島の先生に當る人だ」と言つたのをおぼえていたらしい。私はふき出しそうになつたが、相手が大まじめなので、笑つて氣の毒なような氣がしてだまつてコップを受けた。それを貴島がチラリと私の眼の中をのぞき込んで、クスリとする。嬉しそうだつた。自身が感じている幸福のあまり、ほとんど人に媚びるような眼の色であつた。
 貴島も飮み、久保も飮まされ、杉田も自分でグイグイやる。
「さつきは、ホントにびつくりしました。あなたが、來てくださろうとは思つていなかつたもんですから、しかし、よく來て下さいました」貴島は
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