奴だ。國友という奴も似たようなもんでしよう。嫌いだな」
「いずれにしろ、このまま捨てておけば、まずいことがおきそうな氣がする。國友の子分達が血まなこになつて青島を追いかけていることは事實らしいからね。いや、國友には私からそんな事のおきないように十分に頼んでおいたが、今となつては國友の力でも抑えきれないらしい」
「そうですか……」
「また貴島君も、よほどムチャな事をしたらしいじやないか?」
「そうかも知れませんね」
「なぜそんな事をするんだろう?……それは、いつか貴島君に會つて話も聞いたし、手紙も貰つて、あの男の氣持が多少わからないことはない。死んだ方がいいとホントに思つている人間にとつて何をしようと同じことかもわからない。だけど……だから又、そんな事をしていて、何の役に立つんだ? とも言えるわけだ」
「全くだ。それは全くだ。全くだな」久保は珍しく三度同じ言葉を繰り返して、私に合槌を打つた。そして不意に、アッハッハハハと笑い出した。私はビックリして彼の顏を見直した。この男から私がはじめて聞く哄笑である。しかもそれは何かが破れたような全く氣の拔けた高笑いであつた。聲だけが笑つているだけで顏
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