々に言わせると、ゴロツキは反動だ。だから叩き伏せてしまわなくちやいけないと言うんですがね。……俺はそんな事は知らないんだ。反動であつてもなくつても、どうでもいいんだ。俺は貴島が好きだ。あいつは馬鹿だけど、良い奴なんですよ。俺は、あいつがおかしな目に逢わされるのを默つて見ちやあおれないんです。だから俺あ、ゴロツキは嫌いなんですよ」

        24[#「24」は縦中横]

「國友大助というのが、僕のところへ來てね――いや、國友は昔から知つているのだ。それが貴島のありかをしつこく私に尋ねた。然し私も貴島君が横濱に居るだけは知つているが、横濱のどこだかハッキリと知らないものだから、國友はそのままで歸つたがね」
「そうですか……」と久保は私の言葉を聞き流し、しばらく默つていてから、又同じような事を言い出した。「佐々は自分の共産主義でもつて、つまり主義から、ゴロツキを憎んでいますけれど、俺は違うんです。俺は貴島が好きだからゴロツキが嫌いだ。そうですか、國友があなたの所へ行つたんですか? 僕は貴島の親分の黒田には一度會つたことがありますが、國友には會つたことはありません。黒田という奴はいやな
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