?」
「……君は何だ?」
「どこへ行くんだと言つてるんだ」
「そこの防空壕まで行く」私は既に見えている防空壕の方を顎でさして言つた。
「……何の用だね?」
「佐々君――佐々兼武という人に會いたいんでね」
「佐々?……あの、雜誌屋かね? 雜誌屋なら、今居ねえよ」
「そうかね……あんたは國友君とこの人かね?」
「國友? 國友だと? 大助かね?」眼を光らしたようだ。「……するてえと、お前さんは誰だ?」
そこへ防空壕から人影が出て、スタスタこちらへ歩いて來た。見ると久保正三だ。例の急がない歩き方で近寄つて來て、睨み合うようにして立つている私と男をゆつくり見較べてから
「いらつしやい」といつもの眠いような聲で言つた。
「うん?」
男はチラッチラッと私と久保へ眼を走らせて變な顏をしている。
「何だよ?」と久保へ言つた。
「う?……うん。いいんだよ。これは三好さんという人だ。貴島の先生だ」
男は一ぺんにわかつたと見えて、急にテレた笑顏になり、私に詫びるようにペコリと頭を下げた。
それを無視して久保正三は防空壕と反對の驛の方へダラダラ坂をのぼつて歩き出していた。自然に私の足もそれに從つた。
「
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