るで知らないのか、ニヤニヤと薄笑いを浮べ、寫眞の現像の爲だろう藥品で黄色く汚れた片手で禿げた頭を撫でながら
「はあ、ルリさんですか? あれは一昨日でしたかね、外出から歸つて來て、その後すぐ男の人が二人で訪ねて來ましたがね、その人達としばらく話していたようでしたが、それからその二人連れと一緒に出掛けて行きました。それからこつちまだ歸つて來ないんですがね…………」
 樣子が、不意と出て行つたきり一日や二日歸つて來ない事が珍しい事でないらしく、別に大して氣にも留めていないような加減である。出掛けて行つた先の心當りなど二三尋ねてみたが、何も知らないらしい。同時にルリを使つて裸體寫眞を寫している事についても、この私がそれを知つていると思つているのかそうでないのか、假に知つていると思つていても別に何の羞恥も後暗さも感じないもののようで、ヌラリして頼りない事おびただしい。訪ねて來た二人の男の人相風態をたずねると、
「さあ、そうですね、あんまりカタギの人たちじやなさそうでしたね。そうそう、一人の方は顏中にキズのある、凄い片眼の男でした」と言う。先日國友といつしよに來た二人づれらしい。それ以上のことは、
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