い見方をしていて、それをしみじみと本心から語つている。語り口は、例の通り輕いものだが、その底に一時のものではない嘆息がこもつていた。話している間に私も何時の間にか、この男の訪問の目的をせんさくする氣持を忘れて、久しぶりの舊知との會話を樂しむ氣持になつていた。
その中に國友は、今までの話の續きのように氣輕な調子でヒョイと
「いつかお目にかかつた時に、あなた、D興業會社の社長秘書の貴島という男に會うんだとおつしやつていたが、お會いになりましたか?」
「………會いました」
「ごく最近?」
「いや、しばらく前だ。君にお目にかかつたあの晩遲くだつたかな」
「………それからお會いにならない?」
「會わない。どうして?」
「いや。…………貴島君、今どこにいるか御存じありませんか?」
「住んでいるのは荻窪だが………」
「そりや知つていますがね。………横濱へんに今居るらしい事も知つていますが、ハッキリわからない。一度是非會いたいんですが」
「…………さあ僕もよく知らないんだ」
佐々の話の内容がパッパッと私の頭に閃いて來た。
「もし御存じなら教えてほしいんですがね」
「いやほんとに知らない」
「そうで
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