有るかも知れん。戰爭中「聖戰々々」と言われたのが嘘であつたのと同じように、今度も嘘かもわからない。そのどつちも、僕らの無知のために、ホントの事が見えないのかも知れない。そういう氣がするんです。猿がフライパンで一度大ヤケドをすれば、それにこりて、どんなフライパンでも疑うようになる。あれです。僕らは猿です。そして、いつになつたら猿でなくなることが出來るでしようか? また、結局、誰が猿で無いでしようか?
とにかく、僕らは、コリました。それは僕のせいでは無いのです。とにかく僕には腑に落ちない事だらけです。總てが分らないのです。
日本の侵略戰爭をベンゴしようなどとは僕は毛頭思つていません。その反對です。僕はむしろその被害者の一人なのです。あれは、まちがつていただけでなく、僕にとつて憎いのです。いや、まちがつていてもいなくても、僕にはあの戰爭は憎い。あの戰爭は僕から父と、それから僕の青春の全部を奪い取つてしまつたのですから。
しかし問題はそれだけでは片附きはしません。日本のドロボウ戰爭が不正であつたという事は、わかつた。でも、それだけでは片附かない。それだけでは片附かない。それだけでは、なん
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