尊重してくださることはいらない。ふつうに、ふつうの人間としてあつかってくだされば私どもは満足する。ということは、ふつう以下に、自分たちよりもいちだん下等な人間としてあつかわれることに、私どもはがまんしないし、したくないということである。
ことにアメリカが、日本および日本人を、アメリカ資本主義(それが、かりにどんなによいものであったとしても)の東洋における番犬にしたり、番犬にしようとしたりするいっさいの動きに、私どもは協力することはできない。
同時にソビエットが、日本人の総意がそれを欲していないことを事実のうえで知っていながら、少数の日本人を激励、またはそれに指令することによって、自国の全体主義(それが仮りにどんなによいものであったとしても)の拡大と伝播《でんぱ》を押しつけようとする動きのすべてに、私は反対せざるをえない。
したがってまた、アメリカが敗戦後の日本にあたえてくれたさまざまのよいものと暖かい援助にたいしてはどれほど感謝したとしても(事実感謝しているが)、それとは別に、「安保条約」その他どんな口実のもとででも、日本を植民地化しようとしたり、日本人のある者たちを買弁《ばいべ
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